犯罪半減⁉︎自治体での導入がすすむ「見守りカメラ」

見守りカメラ デジタル化
見守りカメラのイメージ 出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/common/001271272.pdf)

近年、地域の安全・安心を実現するために、市民のプライバシーを尊重しながら、「見守りカメラ」を導入する自治体が増えています。

国土交通省のHPに、「サービスの持続可能な収益モデルを事業者と描く- 加古川市」というタイトルで、「見守りカメラ」の導入で有名な加古川市の、市のスマートシティ担当者のインタビュー(pdf)が掲載されています。加古川市では、市内に約1,500台、BLEタグを検知する「見守りカメラ」を設置し、約400台の「市公用車・郵便車両」にも搭載しているとのことです。

その中を見ていくと、スマートシティの検討をスタートした時点で、地域の何を解決すべき課題と捉えて動いたかについて、下記のように述べられています。

人口約26万人の加古川市は「子育て世代に選ばれるまち」を目指してきました。しかし、2011年頃から人口減少局⾯に入り、とりわけ若い世代の転出超過が続いています。
その要因として、加古川市が兵庫県ワースト4位の高い刑法犯認知件数を記録したことが挙げられます。・・・・・・そこで、あらゆる安全・安心の確保がテーマになりました。実際に市民のニーズであった、子どもの登下校時の安全確保等や月に十数件発生する認知症の方の行方不明事案へも呼応するものとして動き出したのです。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/scpf/efforts/docs/interview/11_%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E5%8A%A0%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%B8%82.pdf)

そして、安心を実現する上で、下記のような経緯で、最終的に「デジタル」 を軸に対策を考えるという構想に至ったとのことです。

「安全・安心のまちづくり」という理念も生まれ、色々と模索する中で、近隣の伊丹市や大阪府箕⾯市などで、見守りカメラを設置しているということを知り、研究を重ねて、見守りカメラの設置と見守りサービスの導入という対策に辿り着きました。・・・・・・その結果、刑法犯認知件数が3年連続改善、令和3年は平成29年と比較して51%減少しています。
また、ビーコンタグを、認知症のため行方不明となるおそれのある高齢者の方に持っていただき市民の安全確保の一助となりました。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/scpf/efforts/docs/interview/11_%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E5%8A%A0%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%B8%82.pdf)

安全・安心に役立つとは分かっていても、「見守りカメラ」の導入には費用がかかりそうです。予算の工⾯が大変そうですが、下記のように対応したそうです。

市の財源を活用するのではなく“市外に価値を提供し、多様な方に使っていただくことで費用を賄うというのがスタンスです。そのために重要なのがオープン化です。見守りカメラと連動するアプリケーション開発では、当初から他のエリアへの展開を見据えて汎用性を意識することとしました。今後は、見守りアプリをオープン化し、参加する自治体に利用料をいただく予定です。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/scpf/efforts/docs/interview/11_%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E5%8A%A0%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%B8%82.pdf)

オープン化というのがキーワードといえそうです。

また、民間との連携もキーワードです。今後の加古川市のスマートシティがどのような方向に発展していくかについて、

今後も引き続き事業者の協力を得ながら、早期認知症等の発見や健康寿命の延伸などにIoT機器を活用した仕組みの開発を検討する予定です。こちらも、市をフィールドとして活用していただき、ビジネスとして展開していく際に企業側に収益が還元されるモデルを描いています。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/scpf/efforts/docs/interview/11_%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E5%8A%A0%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%B8%82.pdf)

他地域へのアドバイスとしては、

加古川市の取り組みのポイントは、初めにスマートシティありきではなく、加古川市が抱える課題を実直に分析したことではないかと思います。市の課題である安全・安心を実現する際にデジタルを活用することで、結果として加古川市ならではのスマートシティが形作られてきました。決してスマートシティをゴールにするのではなく、あくまで「地域創生」の視点から課題を深掘りし、その解決にいかにデジタルを活用し、ウェルビーイングを向上させるかという視点で取り組むことが大切ではないかと考えます。

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/scpf/efforts/docs/interview/11_%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E5%8A%A0%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%B8%82.pdf)

「まず課題を深堀りし、解決にデジタルを活用する」という視点が大切なようです。

デジタル化にはメリットとデメリットがありますが、人口が減少し、労働力が減少し、人の目が減少していく地域では、メリットが勝るのではないかと思います。課題の深堀はされているはずです。デジタル化が早くなれば、その分、市民は安全・安心、ウェルビーイング(すべてが満たされた状態かつ継続性のある幸福)を、早く得られるのではないかと考えます。

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